UKコメディドラマ『フリーバッグ/Fleabag』まとめ
【作品名】『フリーバッグ』(原題:Fleabag)
作品概要
フィービー・ウォーラー=ブリッジが生み出した舞台作品のドラマ版。主人公は、ロンドンで小さなカフェを営む自由奔放な女性、フリーバッグ。共同オーナーだった親友の死、家族とのぎこちない関係、微妙に満たされない性生活など、頭の中はいつも怒り混じりで混沌としています。このドラマの大きな特徴が、フリーバッグが頻繁にカメラ目線でコメントを吐くこと。心の言葉なので周りの人には聞こえていません。その一人ノリツッコミがとてもユニーク。最初はその構成に面食らうかもしれませんが、フリーバッグの腹黒いところ、適当なところ、ぶきっちょなところ、寂しがり屋なところなどが伝わってきて、彼女から目が離せなくなるのです。日本では、Prime Videoにてシーズン1〜2が視聴可能。
あらすじ
皮肉屋で性欲は強め、怒りに駆られ悲嘆に暮れる。「フリーバッグ」は、現代のロンドンを活きる1人の女性の心理を描き出す、抱腹絶倒かつ辛辣なドラマである。脚本・主演は劇作家でもあるフィービー・ウォーラー=ブリッジ。差し伸べられる救いの手をことごとく拒絶し、常に虚勢をはりながらも、癒しを求めるタブー知らずの女性フリーバッグを演じる。
Netflixより引用
作品のテイスト
家族や友人関係についてもがっつり触れていますが、なんだかんだ恋愛指数高め。性欲奔放な主人公と牧師との恋愛とかよく考えたと思いますよ。粋な(?)下ネタも多いです。フリーバッグと友達になったら楽しそう。
登場人物(キャスト)
フリーバッグ
(フィービー・ウォーラー=ブリッジ/Phoebe Waller-Bridge)
ロンドンで小さなカフェを営む女性。奔放な性生活を送っている。いたずら好きで皮肉屋。
クレア
(シアン・クリフォード/Sian Clifford)
フリーバッグの姉。妹とは対照的で、神経質で保守的で生真面目な性格。悩んだ時などに大胆なイメチェンを図って周囲を驚かす。
代母
(オリヴィア・コールマン/Olivia Colman)
フリーバッグとクレアの名付け親で、現在は2人の父と交際している。芸術家。ナチュラルに嫌味を言うことにおいて長けている。
父
(ビル・パターソン/Bill Paterson)
フリーバッグの父。妻マーガレットを乳がんで亡くしている。娘たちを愛しているが、代母との関係も大切にしている。
マーティン
(ブレット・ゲルマン/Brett Gelman)
クレアの夫。どうしようもない男。
ジェイク
(アンガス・イムリー/Angus Imrie)
マーティンの連れ子。10代の男子でなんだかキモい。
ブー
(ジェニー・レインスフォード/Jenny Rainsford)
フリーバッグの親友で、カフェの共同オーナー。
ハリー
(ヒュー・スキナー/Hugh Skinner)
フリーバッグと破局と復縁を繰り返している元彼。
銀行員
(ヒュー・デニス/Hugh Dennis)
フリーバッグのカフェのローン審査を担当している男性。
撮影地
主にロンドン北部、カムデン自治区にあるダートマス・パークにて撮影が行われた。
作品にまつわるエピソードあれこれ
-
フィービー・ウォーラー=ブリッジがフリーバッグのキャラクターを思いついたのは、スタンダップ・ストーリーテリング・ナイトで友人から即興で10分間のスケッチを作るというお題を突きつけられた時。
-
このドラマシリーズは、2013年に「Edinburgh Festival」で披露し、「Fringe First Award」を受賞した同名の1人劇をドラマ化したもの。
-
「フリーバッグ」は、ブリッジの家族が彼女につけた愛称だが、ブリッジは「彼女の人生から派生した特定のシーンを除いて、この番組は伝記的なものではない」と述べている。
-
この番組により新たな言葉「Fleabagging」が生まれた。意味は、「自分にとって完全に間違っている人に夢中になっていること」。
-
ブリッジの活動を家族もサポートしており、作品全編に亘って妹イソベルが音楽を手がけているほか、シーズン1エピソード1では母が講師役として登場している。
-
ブリッジは撮影現場でも脚本の推敲を重ねていた。ブー役のジェニー・レインズフォードは撮影セットに一緒に行くために彼女を迎えに行った時にブリッジが脚本を書き直していた現場を目撃した。また、セットに到着する10分前にマーティンの最後のスピーチを書き直し、撮影中にブレット・ゲルマンに大量の新しいセリフを囁いていた。
-
フリーバッグがスーパーヒーローの衣装を着ているイメージは劇中には登場しない。これはオリジナルの2013年舞台作品の宣伝からのもの。舞台の中でもそのようなシーンはなかった。
-
ブリッジとオリヴィア・コールマンは何度も共演しており親交が深い。『アイアン・レディ』(11年)のセットで知り合い、ノエル・カワードの舞台劇『ヘイ・フィーバー』で再共演し、『ブロードチャーチ〜殺意の町〜』シーズン2でも共演している。この後、ブリッジはコールマンを意識して『フリーバッグ』の“ゴッドマザー”役を生み出した。
-
ブリッジは『キリング・イヴ』の脚本を執筆することで『フリーバッグ』のキャラクターを成長させるのに役立ったと述べており、キャラクターにまつわる追加アイデアのためにメモを取っていたという。
-
ジョディ・コマーとブリッジは、ブリッジのオリジナル作品である『キリング・イブ』と『フリーバッグ』で、それぞれ同じ夜に主演女優エミー賞を受賞した。
-
本作はテレビ番組デフォルトの16:9のアスペクト比ではなく、2.35:1のアスペクト比で表示されている。映画館やアートハウスのような雰囲気を醸し出すためだと思われる。
-
主人公フリーバッグを筆頭に、父、代母、銀行員、神父など、登場人物には名前が明かされていないキャラクターが多い。
-
シーズン2でアンドリュー・スコットが演じた神父はファンの中で「Hot(Sexy) Priest」(セクシー神父)と呼ばれている。ブリッジはそのあだ名を自分で思いつきたかったと言っている。
-
シーズン2で神父がマークス&スペンサーの缶入りジントニックを飲んでいるシーンが放送されると、同商品の売り上げが急上昇。また、黒白ストライプのトップスや赤いドレス、黒いジャンプスーツなど、フリーバッグが着用した洋服も人気に。
-
シーズン2の最後にフリーバッグと神父が座っていたバス停の落書きにはキリル文字で「Zivote」と書かれているが、これはセルビア語で「人生」という意味。
-
シーズン2の最後に登場するキツネはCG。撮影現場に連れてこられた2匹のキツネは非常にシャイだったため、想定していたシーンが撮影できなかったのだとか。
-
2019年12月、オバマ前米大統領は『フリーバッグ』シーズン2を、その年のお気に入りの本、映画、音楽の彼の年間リストに入れていた(映画の下に「映画と同じくらいパワフルだと思ったテレビ番組」のサブセクションとして)。実はオバマ前米大統領はシーズン1にカメオ出演している。フリーバッグがラップトップでオバマ前米大統領の演説シーンをオカズに自慰をしているシーンだ。『フリーバッグ』が「ゴールデングローブ賞」の「最優秀コメディ・ミュージカルシリーズ賞」を受賞した時、ブリッジはこのように言及。「個人的に、私たちを彼のリストに入れてくれたオバマさんにも感謝したいです。ご存知の方もいるかもしれませんが、彼はいつも気にかけてくれていました。もしこのジョークがわからないのであれば、『フリーバッグ』シーズン1をめちゃくちゃ早送りで観てくださいね」
-
ジェニファー・アニストンは以前取材で「ビンジウォッチすべき番組」を尋ねられた際に『フリーバッグ』と答えている。
-
フランス人映画クリエイター/女優ジャンヌ・ヘリーによって、フランス版が製作された。タイトルは「Mouche」(フランス語で、ハエの意味)。パリが舞台で、カミーユ・コタンが主人公を演じた。有料チャンネルCanal+で2019年3月6日から放送された。
エピソード名
シーズン1
1. 原題:Episode One
2. 原題:Episode Two
3. 原題:Episode Three
4. 原題:Episode Four
5. 原題:Episode Five
6. 原題:Episode Six
シーズン2
1. 原題:Episode One
2. 原題:Episode Two
3. 原題:Episode Three
4. 原題:Episode Four
5. 原題:Episode Five
6. 原題:Episode Six
参考サイト: Wikipedia / IMDb / SCREENRANT / BRITISH COMEDY GUIDE / tvtropes